> News Topics > 2013年11月のNews
11/27 メディア向けセミナーを開催しました

全景

2013年11月27日、「第2回メディアセミナー 子宮の声、ちゃんと聞いてあげていますか?」と題して、メディアの方を対象としたセミナーを開催いたしまいた。このセミナーは、子宮内膜症についての最新の情報をお伝えすることを目的として、開催したものです。今回は元陸上競技選手であり、自身がJOCアスリートマルチサポート事業のサポートを受け、婦人科系の治療も経験している室伏由佳さんにもご参加いただき、スポーツを愛する女性やサポートする指導者・男性にも向けて自分の身体と健康を考え、早期対応の重要性についてお話しいただきました。

内容レポート

百枝実行委員長の開会の挨拶のあとに、JECIE顧問の苛原先生による子宮内膜症の原因や治療方法などの基礎知識の解説をしました。また、子宮内膜症は生理がおこるたびに進むと考えられていますが、出生率の低下などにより生理の数が昔に比べて増えている現代女性に、子宮内膜症が発生しやすい構造的な要因を説明しました。

その後、百枝実行委員長が登壇しました。子宮内膜症が女性のライフプランニングと密接に関係し、どういった身体的・心理的・社会的・経済的な影響があるか解説しました。そして、その対策として早期に専門医が介入する大切さ、産婦人科は女性の一生のパートナーであると呼びかけました。

3つ目の講演では、JECIE実行委員の能瀬先生から、女性アスリートの婦人科的な問題についての問題提起がありました。月経周期がコンディションに影響を及ぼすと答える選手や、月経困難症が疑われる選手が多いにも関わらず、産婦人科で受診している選手は多くありません。また、現場では月経困難症の治療薬であるLEPがドーピングになるという誤解もあります。そういった問題を解決し、日本の競技力を向上させるためにも、女性アスリートへの適切な情報提供と、産婦人科受診率の向上の大切さを訴えました。
(参考記事:JECIE子宮内膜症情報ステーション「女性アスリートと月経」)

最後に女子陸上競技選手の室伏さん登壇いただき、学生時代から引退までの競技生活の様子や、子宮内膜症やチョコレート嚢胞の手術とそこからの競技復帰など、自身の体験を踏まえてアスリート目線からの問題提起を行ないました。

講演後は質疑応答の時間として、参加者からの質問に講師が答えました。女性アスリートの婦人科受診が進まない理由などが質問として投げかけられました。

なお、本セミナーには、新聞や雑誌、ウェブメディアなどの25社29名の方にお越しいただきました。

子宮内膜症 知ってるつもり!?クイズ

本セミナーに参加した方には、より子宮内膜症の知識を深めていただくために、受付時に「子宮内膜症 知ってるつもり!?クイズ」と題したクイズを配布しました。各回答の割合は下記の通りです。なお、赤字の部分が正解です。

Q1. 12~45歳の女性のうち月経痛がある人はどのくらい?(ひとつに○)

q01

Q2. 月経痛がある人のどれくらいが子宮内膜症になる?

q02

Q3. 子宮内膜症はどこに起こる病気?

q03

Q4. 子宮内膜症が原因になりうる病気は?

q04

Q5. 子宮内膜症になるのを防ぐための月経痛への対処方法は?

q05

プログラム

15:30~15:35 開会あいさつ(日本子宮内膜症啓発会議・JECIEについて)
 百枝 幹雄実行委員長(聖路加国際病院女性総合診療部 部長)
 
15:35~16:05 講演1.女性の80%が経験する月経痛の真実(月経困難症・子宮内膜症とは)

drirahara

講師:苛原 稔顧問(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部産科婦人科分野教授)
 ●痛いのガマンしちゃダメ!月経痛は見えない病気のサイン 〜月経困難症、子宮内膜症とは?~
 ●一緒に治そう ~治療(薬物療法と手術)~
 ●月経痛専用の治療薬って知ってる? ~早期治療の重要性~
 
16:05~16:35 講演2.大切な女性を守るために(子宮内膜症による損失)

drmomoeda

講師:百枝 幹雄実行委員長(聖路加国際病院女性総合診療部 部長)
 ●輝く未来のあなたのために
 ~月経困難症・子宮内膜症のもたらす身体的・社会的・心理的・経済的損失(QOLの低下、不妊、がん化、医療経済の結果など)~
 ●産婦人科医は女性の一生のパートナー ~産婦人科へ行こう~
 
16:35~17:05 講演3.【トピックス】女性アスリートの実態

drnose

講師:能瀬 さやか実行委員(国立スポーツ科学センター メディカルセンター医師)
 ●東京オリンピック開催に向けて女性アスリートを応援しよう! ~女性アスリートは月経困難症!?~
 
17:05~17:20 講演4.今そして未来のあなたへ伝えたい、私たち体のメッセージ

msmurofushi

講師:室伏 由佳(ミズノ株式会社 スポーツプロモーション部)
 ●女性としてアスリートとして
 
17:20~17:45 質疑応答 

quartetto

 
17:45~18:00 月経・子宮内膜症知ってるつもりクイズ  答え合わせ、プレスセミナーまとめ
百枝 幹雄実行委員長(聖路加国際病院女性総合診療部 部長)
 
18:00~18:10 閉会挨拶
講師:苛原 稔顧問(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部産科婦人科分野教授)

2013年11月28日