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生理のメカニズム
生理は医学的には月経と表現しますが、ここでは一般的に使われている生理という表現を使います。生理のメカニズムを知ることはとても大事なことです。生理は平均して12歳頃始まりますが、最初の生理を初経(初潮)といいます。生理が開始すると女性は毎月妊娠のためのさまざまな準備を開始します。卵巣からのホルモンの影響で子宮の内側にある子宮内膜という組織が次第に厚くなり、卵子と精子が合体した受精卵を迎える準備をします。その受精卵が卵管を通って子宮の中まで旅をして、妊娠のために準備された子宮内膜にもぐり込む(着床)と妊娠が成立し、子宮内膜は剥がれることなく赤ちゃんを育てていきます。もしも妊娠が成立しないと、妊娠のために準備された子宮内膜は不要となり剥がれて子宮から体外に排出されます。これが生理なのです。そして、また妊娠のための準備を繰り返していきます。ですから、生理が順調に来ているということは、妊娠していないということだけでなく、妊娠できる健康な状態にあるということになります。逆に、生理が遅れている場合には、妊娠していない、あるいは妊娠する準備がうまくできていないという可能性があるのです。
これらのメカニズムには視床下部、脳下垂体、卵巣のホルモンバランスが大きく関わり、最終的に子宮に作用しているのです。
卵胞期
脳の中の視床下部からGnRHというホルモンが放出されます。これは、すぐ近くの脳下垂体に作用して2つの下垂体ホルモンを放出させます。これが「FSH:卵胞刺激ホルモン」と「LH:黄体化ホルモン」です。FSHは、卵子の発育に、LHは排卵に作用します。
FSH(卵胞刺激ホルモン)が血中に増えると、卵巣のなかにあるたくさんの原始卵胞というものがいくつか発育し、たくさんのエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌し、子宮内膜を厚くしていきます。
排卵期
発育した卵胞の中のひとつだけがさらに大きくなり(成熟卵胞)エストロゲンがピークに達すると、LHサージと呼ばれるLHの急激な増加となり、この刺激によって成熟卵胞は破裂し、卵子をはじき出します。これが排卵です。
分泌期(黄体期)
排卵した後の卵胞は黄体と呼ばれる状態になり、この黄体からエストロゲンに加えてプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。この黄体ホルモンの作用により厚みを増した子宮内膜は湿潤した状態になり受精卵が着床しやすい環境を作ります。排卵から約2週間経過しても着床が起こらないと、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌は急激に低下し子宮内膜が剥がれ、生理となります。